弾き語りを始めるための最初の練習は?挫折しない上達の道筋
弾き語りに憧れてギターを手にした人の多くが、最初にぶつかる壁があります。それは「同時に2つのことをやらなければならない」という事実です。
左手でコードを押さえ、右手でリズムを刻み、目で楽譜を追いながら、口では歌を歌う。これを一度にこなすのは、初心者にとってかなり高度な要求なんですね。
だからこそ、最初から全部を同時にやろうとしないことが大切です。まずはギターの演奏だけに集中して、手が勝手に動くレベルまで持っていきましょう。
コードを見た瞬間にパッと指が動き、右手が意識しなくてもリズムを刻めるようになれば、ようやく歌に気持ちを向ける余裕が生まれます。弾き語りの練習は、実はギターと歌を別々に仕上げてから最後に合体させる作業なんです。
まずは基本のコードを覚える
ギターのコードは無数にありますが、すべてを覚える必要はありません。弾き語りで頻繁に使われる主要コードは10個程度で、これさえ押さえられれば多くの曲が演奏できるようになります。
具体的にはC、D、Dm、E、Em、G、A、Am、B7、そしてFM7あたりが最初の目標です。
初心者がよく躓くのがFコードですが、最初はFM7という簡単なバージョンで代用できます。指3本や4本を使うコードは最初のうちは苦戦しますが、毎日少しずつ練習していると、指が形を覚えていくものです。
焦らず、1つのコードを確実に鳴らせるようになってから次に進む方が、結果的には早く上達します。
右手のリズムパターンを身につける
コードが押さえられるようになったら、次は右手のストロークです。最初は「ジャンジャンジャンジャン」と一定のリズムで4回ずつ弾くだけで構いません。これだけでも十分に演奏らしくなります。
慣れてきたら、ダウンストローク(下方向に弾く)とアップストローク(上方向に弾く)を組み合わせたパターンに挑戦しましょう。
リズムの覚え方にはちょっとしたコツがあります。「イヌは下下」「ネコは下上」「シマウマは下上下下」といった具合に、動物の名前や好きな言葉に当てはめてみると覚えやすくなるんです。
右手は一定の速さで振り続け、音を出したいタイミングで弦に当て、出したくないところで空振りするのが基本になります。
実際に曲を弾いてみる
基本的なコードとストロークが身についたら、いよいよ実際の曲にチャレンジです。ここで重要なのが曲選びで、最初は使用コード数が少なくテンポもゆっくりした曲を選ぶことが挫折を防ぐポイントになります。
初心者向けの練習曲
定番の練習曲としては、スピッツの「チェリー」やあいみょんの「マリーゴールド」がよく選ばれます。これらの曲はコード進行がシンプルで、ミディアムテンポなのでコードチェンジにも余裕があります。
また、ビートルズの「Let It Be」も4つのコードで弾けるため、洋楽に興味がある人にはおすすめです。
- スピッツ「チェリー」:覚えやすいコード進行、ミディアムテンポで練習しやすい
- あいみょん「マリーゴールド」:シンプルなリズム、ストロークの練習に最適
- ビートルズ「Let It Be」:4コードで演奏可能、テンポもゆっくり
- スタンド・バイ・ミー:コード進行が繰り返しで覚えやすい
曲選びのもう1つのポイントは、「ギターで弾きたい曲」よりも「気持ちよく歌える曲」を優先することです。
自分の音域に合わない曲を選んでしまうと、歌のほうで苦労して弾き語りどころではなくなります。高音が苦手なら低めのキーの曲を、逆に低音が出にくいなら高めのキーの曲を選ぶと、練習がスムーズに進みますよ。
歌とギターを合わせる段階
ギターの伴奏が無意識レベルで弾けるようになったら、いよいよ歌を合わせます。
ただし、いきなり歌詞で歌うのではなく、最初は鼻歌で合わせる練習がおすすめです。鼻歌なら歌詞を思い出す負担がないので、ギターのリズムに集中できます。
鼻歌で問題なく弾けるようになったら、次は「ラ」の音だけで歌ってみましょう。これもギターにつられずに歌えるようになるための段階的な練習です。ここまで来て初めて歌詞をつけて歌うと、驚くほどスムーズに弾き語りができるようになっているはずです。
ギターが歌につられてリズムが乱れてしまう人は、この段階を飛ばさずに丁寧に練習することで解決できます。
上達を早めるための工夫
弾き語りの練習は地道な積み重ねが必要ですが、いくつかのポイントを意識するだけで上達スピードが変わります。焦らず確実にステップを踏んでいくことが、結局は一番の近道なんです。
メトロノームを活用する
弾き語り初心者によくあるのが、演奏中に徐々にテンポが速くなってしまう現象です。これを防ぐにはメトロノームを使った練習が効果的で、一定のリズムをキープする感覚が身につきます。
スマートフォンのアプリでも無料で使えるので、日常的に活用しましょう。
最初はゆっくりしたテンポに設定して、確実にコードチェンジができる速さで練習します。慣れてきたら少しずつテンポを上げていけば、無理なく原曲のスピードに近づけます。
焦って速いテンポで練習すると変な癖がついてしまうので、ゆっくり確実に弾けるようになることを優先してください。
最後まで通して演奏する習慣
練習中にミスをしても、途中で止まらずに最後まで弾き切る習慣をつけましょう。実際に人前で演奏するときに、途中で止まってしまう癖がついていると困ります。多少コードが乱れても気にせず、リズムだけは保って最後まで演奏し続けることが大切です。
また、弾き語りでは原曲を完璧にコピーする必要はありません。難しい部分は自分が弾きやすいようにアレンジしてしまっても大丈夫です。
ギター1本で演奏すること自体がすでにアレンジなので、自分なりの解釈で楽しむのが弾き語りの醍醐味。完璧を目指すより、まずは1曲通して弾ける喜びを味わうことを優先しましょう。